あまりに妖艶に輝く物体を見てつい言葉が出た「今夜はきれいな満月だなぁ」。海から上がった僕たちの後ろには、光を増したひときわ大きな月が浮かんでいた。一足先に着替え終わった友人が、タバコをくゆらせながら言った。「そういやさ、俺・・・ほら居たろ、中学の時、J組に居たYさん。」「あの娘が好きでさ、結局ふられちゃったんだけど、その晩がすごいきれいな月だったんだよ。」「あの時は、本気で月が彼女に見えたんだよなぁ。」
その時は、「お前馬鹿じゃねぇの?」と苦笑しながら答えたが、走るクルマを沈黙のまま追いかけてくる月を見ながら考えた。
太陽も見ても胸は締め付けられない。むしろ見る前に目を閉じてしまう。しかし、月はどうだ?見れば見るほど、引きつけられてしまう。いにしえからある様々な伝説、オオカミ男もかぐや姫もドラゴンボールも、余りに月が美しい以上に妖艶だから、そこに伝説や空想を見いだしたんじゃないか?アームストロング船長が月に降り立って、そこには「なぁーんにもない」とわかっても、月を詠むアーティスト、月を怖がる少年、月に涙するアイツ、月の下で踊りまくる人がいる。実際の月の上には何も無いかもしれないけれど、地球から見る月には、見る人の数ぶんだけの思い出がひっそり住んでいるに違いない。

さあ、今夜は一緒に飛び跳ねよう。月のウサギと一緒に。

11月2日青島境内にて、ライブ 'song for nature' 開催!!
今年は僕も実行委員会です。是非皆さまいらっしゃい!!

僕もチケット持ってます。2000円です。

まじ、本当、すごいイベントです。